無料点検結果【生物】
前回掲載しました無料点検実施結果の詳細をご紹介いたします。
問題の精度について分析を行い各大学様に共通する課題点についてまとめました。
各大学様によって点検科目は異なりますが、このうちご依頼件数が多数ございました生物・日本史・英語の3教科を順にご紹介いたします。
今回は点検数が最多であった 【生物】です。
判定基準
A判定:最重要(範囲逸脱や解答無しな どの重大な問題ミス)
B判定:重要(Aレベルではないが、外部より指摘を受ける可能性あり)
C判定:意見(A,Bレベルでもないが、意見として)
A判定
A判定の問題の中でも特に多く見受けられたのが、問題文に明確な説明がなく判断基準が不明瞭であるため答えが導けない等の「表現の曖昧さ」からくるものでした。
その他には出題範囲の逸脱や正答なし等がありました。
➡難解な表現は避け、正確に意図が伝わるよう追記や説明文を補足することで、より丁寧な文になり受験生の混乱を防げます。
入試問題ミスの報告でも最多である正答の不存在/複数存在は今回の点検で目立った数はありませんでしたが、数件見受けました。
正答の不存在/複数存在を未然に防ぐには作成した問題に正答が1つに定まるかどうかを確認し、問題が複数の解釈をもたないか、または解答が存在しない状況がないかを複数の手によって念入りに検証する必要があります。
B判定
B判定の要因に関しても「表現の曖昧さ」からくるものが多数でした。A判定ほどの明らかな誤りはありませんが不必要な一文や読み取りづらい問題文が記載されている、もしくは誤りとしていた選択肢が問題の読み取り方によっては異なる解釈が可能なため、複数解答になる可能性があるなどの問題が見受けられました。
➡限定できるような情報を付け加えると確実に正解が1つに絞れます。
また、主要教科書に記載されていない表現や一部教科書にはない表現が散見されました。受験生もしくは保護者や学校の先生からのご指摘を受ける可能性があります。
C判定
当校の意見程度ですが、C判定の要因には「常用漢字外の使用や表現の違和感」が多数でした。
専門用語や科学用語の使用が不正確であると、受験生に誤解を与える可能性があります。
➡常用漢字外(問題の難易度を高くするために意図的に使用したものは除く)を使用する際はルビをつける、または教科書に準ずる表記にすることが望ましいと思われます。
生物は非常に詳細で専門的な知識が求められることが多く、細かな部分での誤りが問題の正確性に影響を及ぼすことがあります。
入試ミスを未然に防ぐには複数の専門家による点検を行うことが必要になります。
これは生物に限らず、他の科目(例えば、数学、物理、化学など)にも同じです。
それぞれの特性と難しさがあり、科目ごとに問題作成における課題が異なることに注意し適切な確認と点検を行うことが重要です。